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シニアの自動車ローン

年金で暮らす人が車を買うためのローン選び

通院や買い物に車が欠かせないシニアのために、年金受給者が使える銀行のマイカーローンとディーラーローンの違い、完済時年齢の制限、審査対策を数字で解説します。

日本の自動車販売店で見積書を確認する年金受給者の男性

買い物や通院に車が欠かせない地域では、65歳を過ぎてからの車の買い替えは生活の足を守るための判断です。日本では年金受給者でも申し込めるマイカーローンが地方銀行や信用金庫に多くあり、ディーラーで組む信販会社のオートローンも選べます。ただし、金利の差は数パーセントにのぼり、完済時の年齢制限によって返済期間が短くなるため、どこで借りるかによって総返済額は大きく変わります。

このページでは、60代・70代の方が自動車を購入するときのローンの選び方を、銀行のマイカーローンとディーラーローン、残価設定型クレジットの違い、年金額に応じた借入額の目安、審査に落ちる理由とその対策という順に、実際の商品条件と試算を交えて解説します。

シニアの自動車ローンに関わる法律と仕組み

銀行のマイカーローンは銀行の融資であり、貸金業法の総量規制はかかりません。信販会社の自動車ローンも、自動車購入のための所有権留保付きの貸付けは総量規制の除外とされています。その代わりに、販売店を通じて組む個別クレジットには割賦販売法が適用され、信販会社は申込者の年収や他の支払いから「支払可能見込額」を調べることが義務づけられています。どちらの場合も信用情報の照会は必ず行われ、銀行系は全国銀行個人信用情報センター、信販系はCIC、消費者金融系はJICCが中心です。

金利の上限は利息制限法で決まっており、100万円以上の借入れなら年15%が上限ですが、正規の自動車ローンはこれよりはるかに低い水準です。銀行のマイカーローンは保証料込みで年1%台から3%台、ディーラーローンは年4%台から8%台程度が一般的で、販売店のキャンペーンで低金利になることもあります。

年金受給者を受け入れる銀行の条件

地方銀行のマイカーローンには、商品概要に「年金受給者も利用可能」と明記しているものが少なくありません。UI銀行の「UIマイカーローン」は借入時の年齢が満20歳以上満65歳以下、完済時が満75歳以下で、年金受給者も対象です。融資額は10万円から1,000万円、期間は最長10年、金利は審査結果に応じて年1.30%から3.30%の変動金利とされています。秋田銀行の〈あきぎん〉マイカーローン(Jタイプ)も年金受給者の申込みが可能ですが、最終返済時の年齢は満70歳以下で、保証会社はジャックスです。

完済時年齢が返済期間を決める

同じ65歳でも、完済時75歳の商品なら10年、70歳の商品なら5年までしか返済期間を取れません。返済期間が短いほど月々の返済額は大きくなり、年金収入に対する負担率が上がって審査に通りにくくなります。66歳以上になると、申込時の年齢上限で銀行のマイカーローン自体を使えない場合も出てきます。その場合は、年齢の上限を明示していない信販会社のオートローンや、同居する子どもを契約者にする方法が現実的な選択肢になります。

借入先ごとの特徴
借入先年齢の目安金利の傾向車の所有者高齢者にとっての注意点
銀行・信用金庫のマイカーローン申込65歳以下、完済70歳から75歳以下が多い年1%台から3%台購入者本人審査に時間がかかり、見積書が必要
JAのマイカーローン組合員が中心で条件は各JAによる比較的低め購入者本人出資や組合員加入が必要な場合がある
ディーラー・信販会社のオートローン商品ごとに異なる年4%台から8%台程度完済まで信販会社などに所有権留保手続きは早いが金利が高め
残価設定型クレジット商品ごとに異なるディーラーローン並み完済まで所有権留保最終回の残価の支払いか返却が必要

試算:65歳で200万円を借りる場合

年金収入が年額240万円で、65歳の誕生日を迎えたばかりの方が、200万円のコンパクトカーを購入するとします。申込時65歳以下・完済時75歳以下の銀行ローンであれば、5年返済は条件の範囲内です。年2.5%で5年(60回)返済にすると、毎月の返済額は約3万5,500円、利息の総額は約13万円です。同じ200万円をディーラーローンで年7.9%で借りると、毎月約4万500円、利息の総額は約43万円となり、差額は30万円近くになります。

年間の返済額は銀行ローンで約42万6千円、年金収入の約18%です。家賃のない持ち家世帯であれば無理のない範囲ですが、ほかにカードの分割払いなどがあると審査では合算して見られます。頭金を50万円入れて借入額を150万円に抑えれば、銀行ローンの月々の返済は約2万6,600円まで下がり、審査上も家計上もゆとりが生まれます。

自動車ローンの審査に落ちる主な理由

ローンを組むまでの流れ

  1. 年金額改定通知書で年金の年額を確認し、年間返済額を年金の2割以内に収める借入額を決める。
  2. CICなどで本人開示を行い、延滞記録や使っていない契約がないかを確かめる。
  3. 年金の受取口座がある銀行や信用金庫で、年金受給者が使えるマイカーローンを確認する。
  4. 販売店で見積書を取り、ディーラーローンの金利と銀行ローンの金利を総返済額で比べる。
  5. 銀行ローンの仮審査を先に受け、承認後に販売店と契約する。
  6. 納車前に任意保険の年齢条件と運転者の範囲を見直す。
ディーラーで確認すべきこと

販売店で勧められる残価設定型クレジットは、月々の支払いが軽く見えますが、最終回にまとまった残価を払うか、車を返却するかを選ぶ必要があります。返却時には走行距離や傷の状態で追加の精算が求められることもあります。数年後に免許の返納を考えているなら、最終回の時期と金額、車を返却したときの精算条件を必ず書面で確認してください。

ローンが難しいときの解決策

年齢の上限で銀行のローンを組めない場合は、同居の子どもが契約者となり、親が実質的に返済を分担する方法があります。この場合は名義と保険の運転者範囲を一致させておくことが大切です。月々定額で乗れる個人向けカーリースも、年金生活の家計管理に向いた選択肢です。数十万円の中古車であれば、預貯金で一括購入した方が利息もかからず、手放すときの自由度も高くなります。すでに返済が苦しい借入れがあるなら、新しいローンを組む前に法テラスなどで相談してください。

シニアのマイカーローンのよくある質問

70歳を過ぎてもマイカーローンを組めますか? 申込時65歳以下とする銀行が多いため、70代では銀行ローンの選択肢は限られます。信販会社のオートローンや家族名義での契約、現金購入を比べて検討するのが現実的です。

年金の受取口座がある銀行で申し込むと有利ですか? 年金の入金を確認しやすいため、審査がスムーズになることがあります。金利の優遇を設けている銀行もあるので、まず受取口座のある金融機関に相談するとよいでしょう。

自動車ローンは総量規制の対象になりますか? 銀行のマイカーローンは対象外です。信販会社などの自動車購入のための所有権留保付き貸付けも除外されていますが、割賦販売法による支払能力の調査は行われます。

ディーラーローンを銀行ローンに借り換えられますか? 借換えに対応したマイカーローンを扱う銀行もあります。所有権留保の解除手続きが必要になるため、残高と金利差を比べて、手間に見合うかを判断してください。

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